【 ひざ痛の治療 】

中高齢の方に生じる膝の痛みの原因は、多くが変形性膝関節症と、半月板損傷によるものです。日本の変形性膝関節症の患者さんの症例数は2530万人と言われています。この中で、病院を受診するレベルの症状があるのは半分ぐらいですが、それでも相当な人数で、今や国民病とも呼べるような状態です。変形性膝関節症の治療は保存治療(手術によらない治療)が原則であり特に運動と減量が重要と言われています。手術治療の選択肢も増えており、関節鏡視下手術、様々な骨切り手術、人工膝関節単顆置換術、人工膝関節全置換術などを状態に応じて使い分けます。変形性膝関節症は早期から末期まで非常に幅広い状態を含む病気なので、変形性膝関節症という診断だけでは不十分であり、その方の職業や生活様式、変形の程度、下肢のアライメント、半月板の状態など様々な状態に合わせて治療法を選択することが大切になります。半月板損傷についても、半月板の損傷形態はさまざまで、スポーツ外傷に多い縦断裂、中高年に多いフラップ断裂、水平断裂、横断裂などに分類されます。断裂の仕方によって症状も治療も異なります。以前は内視鏡で断裂した半月板を切除する治療が主流でしたが、最近はなるべく半月板を温存して修復する治療に主流が移っています。当院では15年以上膝を専門として治療してきた医師が、個人個人の状態に合わせた治療を提案します。